2012年4月20日金曜日

第28回 全日本宮古島トライアスロン大会 ラン

練習では、バイクで190km走った後のランで5分/20秒ペースで21km走れた。
絶対走れる。
だが現実はそう甘くはない。体は思うように動かない。
約6分30秒/kmがやっと。
腰が重く、骨盤を前傾させることができない。
走りを忘れたような感じだ。
街中は応援する人が多く、『ありがとう』と言いながら走った。
それから、途中で立ちションする人を何人か見かけた。
やっぱり、マナーは守ろうよ!
坂を下って城辺線(ぐすくべせん)に出ると、兄貴が掲げた応援幕がある。
『アララガマ魂』と書いてある。
台風が多いこの島は、台風被害に遇いながらもアララガマな(負けないぞ)と
不屈の精神で立ちあがってきた気持ちを表現する意味がぴったりくる。
実家も大きな台風で家が全壊した被害を被ったと、
おばあに聞いたことがある。親父もアララガマ魂で生きてきたのだろう。
アララガマ魂で気合いを入れて走り出す。
途中トイレの看板発見。
ガソリンスタンドが大会用のトイレとなっている。
バイクではノンストップだったので一回もトイレに行っていない。
トイレは混んでいないので直ぐに復帰する。
約2km毎の全てのエイドで水分、コーラを補給しながら走る。
それ以外に携帯したジェルでエネルギーを補う。
気温はぐんぐん上昇して、日差しが強くなり、歩く人が目立つ。
水分を取り過ぎたのか、トイレの看板で2回目のトイレ。
これで、リズムが崩れて歩いてしまった。
坂道は足が攣りそうでまったく走れない。
下り坂も同様。バイクでの疲労が大きい様だ。
10km付近の中休み給油所で兄貴達の応援を受ける。
車いすの親父もいる。
立ち止まって、親父の手を握ってまた走り出した。
あまりの暑さに頭がオーバーヒートしそうだ。
日差しが強いので、歩道側の少ない木の下を走る人もいた。
エイドではスポンジで頭から水を被って体を冷やす。
スポンジを手渡してくれるボランティアの対応がうれしい。
口にするのはオレンジが中心。
おにぎり、サンドイッチなどもあったが体がうけつけない。
更竹病院の坂の上ではおじい、おばあ達が応援していた。
『おじい、おばあ、まいふか(ありがとう)』
と声を掛けると、『あり、みゃーくな(あら、宮古の人なの)』
との声が返ってくる。言われて嬉しい。
応援してくれる人には、なるべく手を振り、声を掛けた。
そうすると反応してもっと大きな声で応援してくれる。
挨拶のようなものだ。『一つになる』とはこの様なことかもしれない。
昨年の東北震災で『今、日本が一つになる時』との言葉を聞いた。
どうすればそうなれるのか分からなかった。
応援する側、応援される側。声をかけ合えれば、そこにエネルギーが生まれる。
人間として明日を強く生きて行くパワーが。

平坦な道は走り、坂道では歩きの繰り返しで、やっと折り返し地点。
折り返して25km付近で、連れが待っていてくれた。
そして、競技場のゴールまでの15km以上を並走することになる。
そのお陰で、復路は抜くことが多くなった。
抜く時は小さく『ファイト』と声を掛ける。
そして、往路と同じ場所で復路でも親父達がいる地点に達する。
立ち止まって親父の手を握ってから走りだした。
残り、約4kmで兄貴の親友が並走、更に中学の友人、
そして競技場で待っていた友人みんなに囲まれてトラックを回る。
ゴール付近で親父達が待っていた。
親父の為にこの大会に出ることを決意した。
親父に強烈なインパクトを与えられただろうか?
これから先、認知症が進んで全てを忘れても、
いまは喜んでもらいたい。そして自慢してほしい。
11時間57分24秒でゴールした。